金買取の疑問を解消、手数料は?必要なものは?売る前の準備が肝心

世界情勢が激変して金の相場が高騰する昨今、金や金製品を売る人が増えています。特に初心者の場合、まずは金買取の仕組みを知ることから始めましょう。買取店によって買取価格が違うこともあるので、売る前に疑問を解消してしっかり準備しておくことが大切です。

金の相場と買取価格

金買取

世界の金の相場は英ロンドンのLBMA Gold Priceや米ニューヨーク・マーカンタイル取引所の指標を参考に、各国の市場で取引されます。そのため新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻など社会情勢の影響は日本にも及んでいます。経済状況では物価が上がり続けるインフレ時に金の相場が上がりますが、景気悪化で物価が下がるデフレにはそこまで影響を受けません。これは金がそのものに価値がある「実物資産」のため、株式や債券のように発行元が破綻して「ゼロ」になることがないからであり、有事に強いことが特徴です。現在は経済が不安定なため、金の需要が高まって金相場が高騰しています。金製品を買取る業者の動きも活発なため、売る側もいろいろな情報のなかから納得できる買取店を見つけましょう。

金の純度(含有率)は、「K24(24/24)=100%の純金」、「K18(18/24)=75%」、「K10(10/24)=24%」となります。買取価格は基本的に金の相場と純度、そして買取店が設定した手数料などから算出されます。ただし、金の相場と買取価格は必ずしも同じではないので注意が必要です。そのようなことが起きるのは買取業者によって事情が異なるためです。

手数料ってお店によって違うの?

金買取

買取をした金製品で破損したジュエリーなどはそのまま売らずに、溶かして再加工する場合があります。買取店で再加工できない時は専門の業者に転売するため、そのままでは利益が出ないため手数料を高くしたり、さらに相場より安く買取る店舗もあります。宣伝費をかけてテレビのCMや広告を出して大々的にアピールしながら、その経費を手数料などに反映させるケースも見受けられます。そのため同じ純度の金製品でも買取価格にかなりの差が生まれるというわけです。

また、査定がしっかり行われているかも各店のHP(ホームページ)などで可能な限り確認しておきましょう。鑑定士が金の純度や重さだけでなく金製品としての価値まで鑑定できる方が安心できます。

金をお店で買取ってもらう時に必要なものは?

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貴金属(金、白金、銀及びこれらの合金など)の取引業者は犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)により、場合によって「本人確認」や「本人確認記録の作成・保存」など義務が課されているため、売る側も本人確認できる書類が必要となることがあります。

※「運転免許証」、「運転経歴証明書」、「各種健康保険証(顔写真がないため現住所が記載された公共料金の領収書など補完書類の提示を求められることがあります)」、「パスポート」、「在留カード」、「特別永住者証明書」のうちいずれか。

200万円以上の取引ではマイナンバーが必要となることも多く、本人でない代理人が買取する際には「委任状」および「依頼を受けた代理人の身分証明書」、「委任者の身分証明書のコピー」が必要となります。また法人では「登記簿謄本」など事業について確認できる書類や取引をする目的の確認、取引をおこなう代表者の本人確認書類が必要です。

金買取の取引でクーリング・オフは適用されるの?

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クーリング・オフ制度は消費者が事業者と契約した後でも、頭を冷やして考え直す(クーリング・オフ)ことにより、一定期間内ならば無条件で契約を解除できる制度です。しかしお店に金や金製品を持ち込んで店頭買取により売った場合、買取成立後の返品はできません。これはクーリング・オフ制度が消費者トラブルをなくそうという考えから一定の取引形態を対象にしていることに関係します。

特定商取引法で取引形態が規定されており、クーリング・オフできない場合は「通信販売」、「営業のためにした契約」、そして「消費者が自ら店に行って商品を購入した場合」などが例として示されています。

逆にクーリング・オフできる取引形態に「訪問販売」「訪問購入」があり、期間は8日間となっています。したがって消費者が自らお店に足を運んで売るのではなく、業者が消費者の自宅を訪問して貴金属を買取る「買取訪問」はクーリング・オフを利用できる場合があります。

買取ってもらえない金製品はあるの?

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まず持ち込まれたものが盗難品やコピー品だと判明した場合は買取を断られますし、当然ながら買取った後で判明しても警察に通報されます。未成年者が保護者の承諾書なく持ち込んだ品も買取られません。コインでも法定金貨(現行の貨幣・硬貨)は買取できないことがあります。使用できる金貨を鋳潰した場合、貨幣損傷等取締法違反に当たるため、再精錬を目的とした業者は処罰されるからです。

さらにスマホやパソコンの基板など工業製品から金を分離する際は、保管場所や金精錬の技術を持たない業者は買取ることができず、ライターや刃物などの危険物、メッキ品や金歯など小さな金製品、刻印のない金製品を買取らないケースもあります。

一方、「デザインが古い」、「石がとれている」、「チェーンが切れている」など一見価値がなさそうな金製品でも買取りできる場合があるため、まずは査定してもらうことです。査定については無料で行うお店も増えています(ただし、ネットオークションに出品するから調べてほしいなどの要望は受け容れられないことがあります)。

他にも金買取について確認しておきたいこと

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「買取りした代金はその場で現金で受け取れるのか、あるいは指定口座に振り込みも可能か」、「査定してもらい買取価格に納得できない時はキャンセル可能か」など気になることはHPを確認するか直接お店に問い合わせましょう。後々で困るよりも事前の準備です。

ブランド品を持ち込む際は、正規店の正規ルートで販売されたことを証明するギャランティカード、購入した時の箱などがあれば査定に有利となる場合があります。このように前もって情報を集めることで買取店に足を運ぶストレスが軽減でき、取引でのやりとりもスムーズに進むことでしょう。

金にまつわる話題「大分の鯛生金山」について

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日本で商業規模の操業を行っている金鉱山は鹿児島県伊佐市菱刈地区にある菱刈鉱山だけになりましたが、大分県にかつて東洋一の金産出量で栄えた金鉱山「鯛生金山(たいおきんざん)」があったのをご存じですか。最盛期は年間産出量があの佐渡金山を超えたそうです。大分県日田市中津江村鯛生地区にあった金鉱山で、現在は地底博物館・道の駅・家族旅行村「鯛生金山」として観光スポットになっています。砂金採り体験ができる「ゴールドハンティング」は子どもから大人まで夢中になります。

地底博物館は坑道を再現しており「金運UPの黄金の鯛」は人気スポットです。レストランには豊富なメニューのなか「黄金うどん・そば」が目を引きます。売店では「金箔入り羊羹」に「金粉入り麦焼酎」からオリジナルグッズまで購入できるのでお土産にぴったりです。

そんな大分県には貴金属買取店がおよそ20店あり、全国展開している買取専門店の系列ショップも大分県内に複数出店しています。商店街に大きな看板を掲げた質店からショッピングモール内のリサイクルショップまでいろいろな買取店があるので、まずHPから覗いてみてはいかがでしょう。